について
乾燥肌による敏感肌にアトピー素因が重なって痒みを伴い慢性的に経過する皮膚炎(湿疹)です。 アトピー性皮膚炎は皮膚の生理学的異常(皮膚の乾燥とバリアー機能異常)があり、そこへ様々な刺激やアレルギー反応が加わって生じると考えられています。慢性的ではありますが、適切な治療をきちんと受ければ、落ち着いた同様の状態になることが期待されます。
患者様が次のような状態になることを目標にします。
- 症状は、あっても軽く、日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない。
- 軽い症状は続くが、急激に悪化することはまれで、悪化しても持続しない。
そして、このような状態を維持することで、病気を苦にすることなく、楽に生活できることが期待されます。
について
イボはウイルスが原因で発生しています。
皮膚から盛り上がっている小さなできもの一般を指すイボは、様々の異なる皮膚病(多くは皮膚の腫瘍です)が含まれています。
「ヒト乳頭腫ウィルス」と言われるウイルスが、傷口から皮膚感染してイボとなって表れるのです。このウイルスはなんと100種類以上もあり、そのほとんどが放っておいても自然治癒する良性のものです。
いわゆるイボの中でも様々な種類があり水イボ(伝染性軟属腫)や中年イボ(スキンタッグ※)や年寄りイボ(老人性疣贅あるいは脂漏性角化症※)を初めとする多くの皮膚病があります。中には悪性腫瘍のこともありますので、診断には慎重を要します。
お気軽にご相談ください。
※ウイルス性疾患ではありません。
について
水イボは、専門用語では伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)と呼ばれ、ウイルスが皮膚に感染することで湿疹ができます。
ウイルスが皮膚に感染といっても、ウイルスが皮膚に付着してすぐにイボになるわけではありません。皮膚に付着したウイルスは「表皮」という角質より深い部分まで潜り込み、そこの細胞に感染します。
水イボは、表面がツルツルして、みずみずしい光沢のある直径数mmから5mmくらいの小さな皮膚の盛り上がりで、てっぺんが少し凹んでいるのが特徴です。
水イボは身体にできることが多く、顔や体、手足まで広がってきます。特に子供に多く見られ、症状が出る範囲も広いです。
について
足の裏など物理的に圧力、摩擦、衝撃が加わる部分に皮膚の角質層が肥厚した状態の事です。
(しょうせきのうほうしょう)について
掌蹠膿疱症はウミが溜まった無菌性膿疱と呼ばれる皮疹が手のひらや足の裏に数多くみられる病気で、周期的に良くなったり、悪くなったりを繰り返します。
喫煙や慢性扁桃腺炎、虫歯、歯肉炎、金属アレルギー(歯)などが原因となっている例があり、中年の男性に好発します。喫煙がきっかけで発症することが男性に多い理由の一つと考えられます。
足と手のほかにスネや膝にも皮疹が出ることがあります。皮疹は小さな水ぶくれが生じ、次第に膿疱に変化し、その後、かさぶたとなり、角層がはげ落ちます。
後にこれらの皮疹が混じった状態になります。
症状としてはよくかゆくなります。また、鎖骨や胸の中央やその他の関節が痛くなることがあります。
について
巻き爪
巻き爪とは、足の指にある爪の両端の先端部が、強く内側に湾曲した状態を言い、爪に負担のかかりやすい足の親指が巻き爪になる例が多いのですが、場合によっては足の他の指の爪や、手の爪も巻き爪になることがあります。 巻き爪が進行すると、指の肉に爪がどんどん食い込み、激しい痛みを起こします。 さらに巻き込まれた皮膚が化膿し、歩くことさえ苦痛になる方も多くいらっしゃいます。 また巻き爪のために足をかばって歩くと、今までの自然な歩き方ができなくなり、足首や膝、腰へと負担がかかってしまうことも。捻挫や膝痛、腰痛を起こす原因にもなりますのでお早めにご相談ください。
巻き爪の原因
1. 靴による圧迫
巻き爪は靴が原因であることが非常に多いです。 先のとがった靴やヒールの高い靴、ぶかぶかの靴などは指に体重が集中し、爪を圧迫して巻き爪になります。 「この靴は履きやすいな」と思っている靴が、実は巻き爪の原因になっていることもあります。
2. 深爪
肉に食い込むのを防ぐために爪を短く深爪をすると逆効果で、爪まわりの皮膚が爪にのっかって成長を邪魔する上に、爪は皮膚に食い込むように伸びていきます。
3. 体質
爪の厚い方よりは、薄い方が巻き爪になりやすいという面はあります。 爪の硬さや柔らかさも関係しますが爪が薄くても巻き爪になりにくい場合もあります。
ワイヤー法による治療
ワイヤー法とは爪の先端に、専用の小型ドリルで穴を2つ開け、その穴にワイヤーを通して爪に固定します。 1~2ヶ月間、ワイヤーを装着したまま生活します。(基本的に、日常生活には支障がありません) ワイヤーの「形状記憶」性質を利用して、巻き爪の形を少しずつ矯正します。
について
とこずれとは医学用語では「褥瘡」(じょくそう)と言い、、長時間の圧迫により皮膚やその下にある皮下脂肪組織、筋肉への血流が途絶えて、これらの組織が死んでしまった状態です。この状態を「壊死」(えし)と呼びます。壊死の範囲は圧迫の強さ、持続時間、皮膚のズレの程度に影響を受けると考えられています。
強い圧迫が長時間加われば筋肉に達する深い褥瘡ができます。普通は、眠っている間も無意識のうちに寝返りを打ちますし、長時間椅子に座っている時はお尻を移動し、同じ部位に長時間の圧迫が加わらないようにしています。このような動作を「体位変換」と呼びます。
したがって、自分自身で体位変換できない人に褥瘡はできます。特に、寝たきりの高齢者や骨が突出した部位には圧迫が集中するため褥瘡ができやすくなります。
について
とびひは俗名で、皮膚科の正式病名は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と言います。
細菌による皮膚の感染症で、人にうつる病気です。
ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌と略します)などが原因菌です。
接触によってうつって、火事の火の粉が飛び火することに似ているため、“とびひ”と言います。
とびひは、あせも・虫刺され・湿疹などを掻いたり、小さなケガや転んでできた傷に二次感染を起してとびひになります。
また、鼻孔の入り口には様々な細菌が常在しているため、幼児・小児で鼻を触るくせがあると、鼻の周囲からとびひが始まったり、その手であせもや虫刺されなどをひっかくことでとびひになってしまいます。
について
ニキビには、思春期ニキビと大人ニキビがあり、原因もできる場所も異なります。 思春期のニキビは、ホルモンバランスが変化して、皮脂の分泌量が増えることが原因で、できる位置も、皮脂分泌の多い額や鼻などのTゾーンから頬までと広範囲に渡るのが特徴的です。 一方、大人ニキビは「古い角質の蓄積」と「肌の乾燥」、「ストレス」など様々な事が原因で、Uゾーンといわれる顎やフェイスライン、そして首筋にかけてできる傾向にあるといわれています。 また、思春期ニキビと大人ニキビは、改善策が異なってきます。 思春期ニキビは、主に皮脂の分泌が原因であることが多いため、皮脂の量と水分量を適度に保つことが肝心です。 一方、大人ニキビは、生活習慣全般を見直し、ストレスのない生活や規則正しい生活、健康な食生活を心がけましょう。
思春期ニキビ
思春期ニキビとは、10代の思春期にできるニキビです。 第二次性徴の時期になると、男性ではテストステロンやアンドロゲン、女性ではエストロゲンと呼ばれるホルモンが体内で分泌されるようになり、ホルモンバランスが変化して、皮脂の分泌量が増えることが思春期ニキビの原因となります。 思春期の頃は、体を作るために成長ホルモンが分泌されます。この成長ホルモンが皮脂腺を刺激して皮脂が過剰に分泌されるため、毛穴が詰まりやすくなり、アクネ菌が繁殖しやすくなります。 すると、ニキビができやすくなるのです。 ホルモンバランスが整ってくる20代前後になると、自然と、この思春期ニキビはできなくなっていきます。
大人ニキビ
大人ニキビの原因は、一人一人様々の原因が考えられ、不規則な食生活、睡眠不足、飲酒や喫煙、ストレス、スキンケア、化粧品、ホルモンの関係などあげられます。 また、ストレスや不規則な生活習慣からくるお肌のターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)の乱れ(通常、新しい細胞と古い細胞が、約5〜6週間で入れ替わる)が、大人ニキビには密接に関わっているといわれています。 ターンオーバーのリズムは人によって異なりますが、このリズムが乱れると、古くなった角質が溜まってしまい、角質層全体が厚くなって毛穴がどんどん狭く詰まりやすくなってしまうのです。
漢方薬によるニキビ治療
漢方のもつ自然の力で体質改善を計るために当クリニックでは漢方薬によるニキビ治療を行っております。
通常、にきびで病院にかかると抗生物質の内服薬と外用剤を処方されますが、漢方薬はにきびのできにくい体質への体質改善を目的としたもです。
今は携帯にも便利なエキス剤という、有効成分だけの粉末タイプがありますので、無理なく毎日つづけることができます。
エキス剤はお湯で溶いてお茶のように飲んでも良いし、粉薬のように飲んでも良いので、治りづらいにきびでお困りの方は、ぜひ漢方薬をお試し下さい。(当院の漢方薬の処方は保険診療が可能です。)
なお、薬局やドラッグストアで市販されているものは、医療用製剤に比べ薬効が弱いので、医療機関での処方をお勧めいたします。
(はくせん)について
白癬は皮膚糸状菌という真菌(カビ)によって生ずる感染症です。 病変の部位により、水虫や爪の水虫、手の水虫、いんきんたむしなどに分類されます。
水虫について
水虫は、上記で説明した白癬菌が、皮膚の角質層に寄生することによって起こる皮膚の病気です。
白癬菌は手やからだにも感染しますが、9割近くは足に感染します。
足に繁殖しやすいのは、靴を履くために足がむれ、菌にとって過ごしやすい高温多湿な環境を作るからです。最近は女性も仕事で一日中、靴を履いたまま過ごす人が増えたため、男性に限らず女性にも水虫に悩む人が多いです。
白癬菌は、水虫にかかった人の皮膚からはがれ落ちる角質の中にも生きているので、それを素足で踏んだりして菌が付着することにより感染します。
菌が付着しただけで、すぐに水虫になるわけではなく、洗い流されずに残った菌が、傷ついた角質から入り込み、なおかつ繁殖しやすい環境にあった場合です。
(はくはん)について
尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)
尋常性白斑は、後天的に全身のメラノサイト(色素細胞)が何らかの原因で減少・消失し、皮膚が脱色する病気です。 尋常性白斑の原因としましてはメラニン色素合成遺伝子の変異、欠失やメラニンの細胞内輸送分子の異常、メラノサイト遊走因子遺伝子の変異、欠失など があげられます。
限局型
限局型は、身体の一部に白斑が認められるもの
汎発型
汎発型は、全身のあちこちに白斑が認められるもの
神経分節型
神経分節型は、ある神経の通り道に沿って白斑が認められるもの
先天性白皮症
先天性白皮症は生まれた時から皮膚や頭髪、さらには眼の虹彩のメラニン量が少ないといった症状が認められます。
について
しみには代表的なものに肝斑、雀卵斑(そばかす)、老人性色素斑(日光黒子)、炎症後色素沈着があります。
肝斑(かんぱん)
シミとよばれるものは、一般に肝斑のことを指していることがほとんどで、20代後半から40代の女性に多く、主に顔面、特に頬、額、眉毛の周囲にあらわれます。 境界のはっきりした左右対象性の淡褐色から褐色の色素斑で、色調が肝臓の表面と似ていることから「肝斑」とつけられたようです。 妊娠時に目立つようになり妊娠や出産が終わると少し薄くなったり、消失したりすることがあります。また、経口避妊薬(ピル)の服用で増え、閉経後に次第に薄くなることもあることから、 肝斑には女性ホルモンが影響していることがわかります。 また、肝斑は紫外線にさらされやすい部分にでき、春先から夏の紫外線の強い時期に濃くなり紫外線の弱い時期には薄くなります。 このことから、長波長紫外線(UVA)が、肝斑の発症や増加に重要な役割をはたしていると考えられます。
雀卵斑(そばかす)
5mm以下の褐色の小色素斑が顔面(鼻や頬の周囲)、手の甲、前腕、頸などに多発する、いわゆるそばかすは、3歳ごろに発生して、思春期に最も色が濃くなり、以後は年齢とともに段々薄くなります。 色白の人に多く、しばしば家族での発生がみられるので、常染色体性優性遺伝とされています。 中波長紫外線(UVB)が発症に関与するので、日光に当たると増加し、夏に顕著になりますが、冬には減って目立たなくなります。
老人性色素斑(日光黒子)
老人性という言葉がついていますが、年をとるからというよりも、長年にわたって日光(紫外線)を浴びることによって、メラニン色素が一部にまとまって増えるために起こります。 40歳代以降の男女の顔面、手の甲、前腕の外側に生じ、米粒大から親指の頭程の境界のはっきりした、ほぼ一様な褐色斑が多発してきます。 日光黒子は紫外線によって皮膚の老化が促進されることで生じる変化なので、お尻など日光にさらされない皮膚には現れません。 つまり、お尻の皮膚には自然の年齢が、手の甲には紫外線年齢が現れるというわけです。
炎症後色素沈着
皮膚の炎症の後に出てくる色素沈着で、年齢に関わらず、体中どこにでもできます。
について
円形脱毛はコインのように円く脱毛する単発型が基本ですが、一ヵ所と限らず多発することもあります。 何の兆候もなく突然脱毛が始まったり、頭部に地肌が見えたり、ある日突然円形や楕円形の脱毛斑が生じる疾患です。 頭髪のみに単発又は数カ所に渡って出来る10円玉位までの脱毛部であれば、放置していても自然軽快する事もありますが、脱毛部が大きくなっていったり、びまん性(汎発性)である場合には、治療が長引く事が多いです。
について
ヘルペスとはウイルスによる感染症であり、代表的な病気に、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、水ぼうそう、帯状疱疹(たいじょうほうしん)があります。 ヘルペスは、水ぶくれが集まった状態のことをいい、とても身近なウイルスで人間に感染します。
口唇ヘルペス
口唇ヘルペスは、唇のまわりに小さな水ぶくれができる病気です。原因は単純ヘルペスウイルスですが、感染しても必ず症状が現れるとは限りません。
口唇ヘルペスは、初感染で発病する場合と再発による発病の二通りがあります。患部に直接触れたり、唾液を介して感染します。
また、感染後、風邪の発熱やストレスや紫外線を浴びるなど体力や免疫力が低下するとウイルスが再活動します。
一度細胞の中に隠れてしまったウイルスを消滅することはできません。
治療は、口唇ヘルペスの症状が現れている時に、ウイルスの増殖を抑え、症状をやわらげる処置を行います。
早い時期に適切な処置を行うことがもっとも大切で、症状も早く改善され、回復へ向かいます。
について
やけど(熱傷)とは、熱による皮膚や粘膜の外傷を言います。
高い温度の物質が皮膚に一定時間以上接するとやけどとなります。
家庭では熱い液体に触れて起こる熱傷が最も多く、沸騰したやかんのお湯をひっくりかえしたり、熱いお風呂に落ちたり、アイロンに触れたりと、日常の生活の中で多い外傷のひとつです。
また、見落としがちなのが、低温やけどです。湯たんぽやカイロなどのそれほど熱くないものに、同じ場所が長時間触れていても重症のやけどをおこすことがあるので注意が必要です。
Ⅰ度熱傷
- 発赤(赤くなる)腫脹(はれる)がある。
- 痛みがある。
- 数時間から数日であとを残さず治る。
- 通常医療の対象とはならない。
(日焼けはこれに入ります)
Ⅱ度熱傷
- 皮膚が赤くなる。水泡ができる。
- 受傷の翌日水疱に気付く事があります。
- 感染をおこさなければあとを残さず治る。
(浅いもので10日~2週間、深いもので3~4週間)
Ⅲ度熱傷
- 皮膚の深いところにまで及ぶ熱傷。
- 受傷部は白くなってひどい時には焦げている。
- 痛みを感じる神経も焼け死んでいるので痛みは感じない。
- 受傷部の皮膚は焼け死に落ちてしまうので、あとを残して治る。
について
メラノーマとは、一般的に「ほくろのがん」「ほくろのような皮膚がん」とよばれ、悪性黒色腫という非常に悪性な皮膚がんの1つの病名です。
メラノーマは最も悪性な皮膚がんで、転移をおこし死亡率も高いです。
ほくろと違って形が非対照で、辺縁がギザギザで色が黒く色むらがあり、どんどん大きく成長します。直径も7mm以上あれば要注意です
たとえ非常に悪性ながんであっても、早期に発見し、早期に治療を受けていただければ治すことができます。
また、皮膚は目に見える部位ですので、気を付けていただければ早期に皮膚がんを発見することができます。
お気軽にご相談ください。